大学の物理学
中学生や高校生の方で、教科書より先の科学の世界に触れてみたいという方は少なくないでしょう。
このページでは、大学レベルの物理学について簡単に紹介します。
1年 『力学』
ニュートンが開いたニュートン力学を中心に学びます。
高校で習う力学と基本的に同じですが、高校の物理では、微分と積分を使いません。
* 「物理が苦手になる前に」(岩波ジュニア新書)で扱うのはこの高校レベルの力学です。
ニュートンは、力学を切り開く時に、必要に迫られて同時に「微積分」も発明しました。
微積分を使った力学が本来の姿であり、大学の力学では微積分の知識を必要とします。
『数学』
大学1,2年生では、また、数学も学びます。複素関数論、線形代数(行列)、フーリエ変換、
ラプラス変換などです。
* 「高校数学でわかる線形代数」 (講談社ブルーバックス)では、文字通りに線形代数を解説し、
また、
* 「高校数学でわかるフーリエ変換」(講談社ブルーバックス)では
フーリエ級数、フーリエ変換、ラプラス変換を解説しています。
2年 『電磁気学』
マクスウェルが完成させた電磁気学を中心に学びます。
マクスウェルの方程式の理解が最大の目的です。
数学的にはベクトル解析の知識を必要とします。
* 「高校数学でわかるマクスウェル方程式」(講談社ブルーバックス)では
ベクトル解析の知識がなくてもマクスウェルの方程式を理解できるように構成を試みました。
* また、「今日から使える電磁気学」(講談社)は
微分形のマクスウェルの方程式も解説しています。
数学では、統計学も学びます。
* 「高校数学でわかる統計学」(講談社ブルーバックス)では、数式の変形も丁寧に解説しています。
2-3年『熱力学・統計力学』
熱力学では、気体の性質や、熱機関について学び、さらにエントロピーを学びます。
また、統計力学では、粒子の集団がどのようにエネルギー分布するかを中心に学びます。
気体の分子のような古典的な粒子を扱うのが、マクスウェル・ボルツマン統計、
電子のようなフェルミ粒子を扱うのが、フェルミ・ディラック統計、
光子のようなボーズ粒子を扱うのが、ボーズ・アインシュタイン統計です。
後者の二つの統計は、量子力学が対象とする粒子を扱うので、量子統計と呼ばれます。
* 「高校数学でわかるボルツマンの原理」(講談社ブルーバックス)は
最もやさしい熱力学・統計力学の解説書を目指しました。
3年 『量子力学』
原子や、電子、光子のような極めて微小なものを扱う物理学です。
シュレディンガー方程式の理解が最大の目的です。
数学的には虚数の知識を必要とします。
また、日常生活の物理的な経験や直感と反する現象が存在する世界です。
* 「高校数学でわかるシュレディンガー方程式」(講談社ブルーバックス)は
最もやさしい量子力学の解説書を目指しました。
『半導体物理学・半導体工学』
半導体の性質について理解したうえで、トランジスタや半導体レーザーなどについて学びます。
この分野は、物理学が最も活躍している分野の一つです。
日本の研究者も、HEMTや青色発光ダイオードの開発に貢献しています。
* 「高校数学でわかる半導体の原理」(講談社ブルーバックス)は
最もやさしい半導体の解説書を目指しました。
*** 「高校数学でわかる」シリーズと大学のカリキュラムの関係 (学外リンク) ***
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